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時と海を超えて生まれ変わるリネン。古着屋「alconne」のベルボーイ・ジャケット

ヴィンテージとダメージ加工の間にある決定的な違いは、その服に刻まれた人々の暮らしが服を通して見えるかどうかだと思います。

単に見た目をヴィンテージ”風”にすることだけなら現代の加工技術でも十分できるはず。ただ数十年にわたり実際に人によって使われてきた暮らしの痕跡までを再現することはできません。

そんな古着の中でも特に経年による味を楽しめる素材がリネン。「冬の革素材、夏の麻素材」と表現されることもあるほど、麻は丈夫で長く使い込める素材です。

今回はフランスのヴィンテージリネンを使って作られた、特別なジャケットを福岡のヴィンテージショップ「alconne(アルコンネ)」で購入したのでご紹介。

月日を重ね深みを増した生地を、伝統に倣いつつも現代的に再構築したユニークな1着です。

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本格派ヨーロッパ古着が揃う「alconne」

購入したジャケットを紹介する前に、「alconne(アルコンネ)」という古着屋を簡単に紹介します。

alconneは福岡・天神の上人橋通りにあるヨーロッパ古着屋。ファッションショップや美容室が軒を連ねるアークタウンという建物の1階にお店があります。

小さい店内にはパリから買い付けてきた古着がずらり。フランスとイギリスの古着が多く、基本的に商品はユニセックス展開。

古着というと個性の強いアイテムが多い印象。ですがalconneのセレクトは普段着としても合わせやすいデザインやサイズ感のものが多く、古着MIXなスタイルに使えるアイテムが充実しています。

珍しい黒シャンブレー素材のアトリエコート

本格的なヴィンテージやレア物アイテムも多く、ヨーロッパ古着が好きな人ならかなり楽しめるお店です。スタッフも親切かつ知識も豊富なので、買い物しながら話をするだけでも勉強になります。

ぼくはすっかり気に入ってしまい、あれこれ試着させてもらいながら1時間ほど話し込んでしまいました。

 

alconneのフレンチリネンジャケット

そんなalconneで購入したのがこのスタンドカラーのジャケット。このジャケットの特徴は「素材」と「縫製」が、それぞれ全く違う時代・場所で作られているという点。両者について詳しく説明します。

生地はヴィンテージのフレンチリネン

レトロな雰囲気を感じる濃紺ストライプの生地は、フランスで使われていたヴィンテージのリネン素材。

もともとゴワッと肉厚だったリネン生地が長期使用によってクッタリと熟れて、見た目にも手触りにも迫力を増しているのが分かります。

使い込まれる中で生地が破れてしまっている部分は、タタキと呼ばれるリペアが施されています。

また前身頃の裏部分には、おそらく前の持ち主である方の名前が。海外では自分の服に名前を書く習慣があり、古着ではたまにこうした名前付きの服が見つかります。

そして注目して欲しいのがこの名前部分が途中で切れてしまっている点。そう、このリネン生地はもとから服だったわけではなく、おそらくはもっと大きな1枚のベッドリネンか何かでした。

縫製はベルボーイ・ジャケットを模したオリジナルデザイン

そんな1枚布のヴィンテージリネン生地をalconneが買い付け、それを日本で裁断し洋服として作り変えたのがこのジャケットです。

つまり使われている生地は数十年前のリネンですが、作られたのはつい最近ということ。もはや古着なのかサラ着なのかの定義すら難しい、そんな1着。

最近作られたと言っても、基本的な作りは古着のディテールを忠実に再現。

小さめなスタンドカラーにボタンがいくつも並んだ独特なデザインは、ホテルの玄関で客の荷物係が着用するベルボーイ・ジャケットをモチーフにしています。

フロントボタンも全て古着のものを使用。本来ベルボーイ・ジャケットは金ボタンが一般的ですが、生地とのバランスを考えて白いプラスチックボタンを選んだのだそう。

 

古いけど古臭くない着用感が魅力

Coordinate Item
  • Jacket:alconne
  • T-shirt:UNITED ATHLE
  • Pants:UNIQLO
  • Shoes:church’s
  • Glasses:MYKITA

実際にこのジャケットを着用してコーディネートを組んでみました。

幅の太いストライプの総柄はあまりごちゃごちゃさせるとピエロみたいにうるさくなってしまうので、モノトーンでコーディネートの主役であるジャケットを引き立たせました。

やや短めの丈感など、シルエットも今っぽい

足元も柄を加えつつモノトーンで統一

生地自体はとても古いのですが作り自体は現代風にモディファイされているので、着用しても古臭さはなし。むしろ洗練された雰囲気さえも感じさせます。

今回のコーディネートのようにフォーマルに寄せてもよし、ダメージデニムに白Tシャツをタックインした上から羽織ってグランジっぽく着てもよし。意外と着こなしの幅は広そうです。

 

時と海をかけるリネン

服自体に刻み込まれた雰囲気と、実際の着用しやすさ。古着とサラ着の良いところを併せ持つのがこのジャケットの特徴。

今ここから距離も時間も遠く隔てた場所で、人々に使われていた1枚のリネン生地。それが時と海を越えて服へと生まれ変わり、たまたま訪れた福岡の古着屋で自分ぴったりのサイズで見つかる。

運命の歯車がいくつも噛み合って起きたこの偶然の出会いに、始めて手に取り羽織ってみたときは興奮しました。これだから古着はやめられません。

いくらリネンが丈夫だといえ数十年もの歳月を経てもこうしてきれいな状態を留めているのは、このリネンが大切に扱われてきたからに他なりません。

数奇な巡り合わせでぼくの手元に来たからには、きちんと大切に扱っていきたいと思います。

-SHOPPING JOURNAL-
  • Item:Vintage-linen Jacket / alconne
  • Shop:alconne Fukuoka
  • Price:¥26,000 w/o Tax

 

同じく古着とサラ着の良いところを併せ持ったアイテムといえば、去年購入した「Revival 90% Products」のシャツもそう。

ヴィンテージ古着屋が売るオリジナル。『Revival 90% Products』のボーリングシャツ

ヴィンテージショップがその経験を活かして作る、古着ライクなオリジナルブランドです。こういう古着の楽しみ方もこれからはどんどん多くなってきそうですね。

 

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