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『フリー〈無料〉からお金を生み出す新戦略』

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『フリー〈無料〉からお金を生み出す新戦略』クリス・アンダーソン

ずっと前から気になってて、やっと読めた本。
結構分厚くて時間かかるかなーって思ってたけど、ほんとに面白くて3日くらいで読んじゃいました。

軽ーく内容紹介しますね。

筆者は21世紀になって「フリー(無料)」の経済というものが出現し始めたと主張する。それは21世紀型のフリーと呼ばれるもので、従来までのあくまでマーケティング手法の一環であった20世紀型のフリーとは一線を画すという。
20世紀型のフリーとは化粧品の無料サンプルなどのマーケティング手法で、あるものを無料で配布する代わりに、他の部分において収益をあげる(この場合は有料の化粧品セットを買わせる)といういわば”見せかけの”フリーであった。
これに対して21世紀型のフリーは「ほんとに」タダなのである。

21世紀のフリーは、IT産業が発展していくにつれアトム経済に代わるビット経済が出現することにより始まった。アトム経済は物質による経済で、ビット経済とは主に情報通信による経済を指す。
ビット経済ではムーアの法則に代表されるように通信帯域幅は年々早くなり、各部品の性能は年々高くなるのに対して、その生産費用は年々安くなる強い傾向がある。
これにより事業運営にかかる費用は毎年低下し続けていくことになる。

そしてビット経済ではひとたび製品が生産されると、その複製は非常に容易かつコストもほとんどゼロに等しい。
ビット経済ではリーチできるユーザーの母数も膨大なので、事業者は製品を95%のユーザーに無料で提供しても5%の有料利用者によって製品を支えることが十分可能になった。筆者はこのビジネスモデルを本著で”フリーミアム”と名付け、現在では広く一般的な言葉となっている。
多くの情報が氾濫するビット経済で一番恐れるべきなのは、無料で製品を使う無課金ユーザーではなく、製品が世に知られずに埋もれてしまうことである。

長くなっちゃいましたね。笑

ここに書いてあることは机上の空論だとか、理想論だと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、実は僕たちの身の回りで実際に起きていることなんですよね。
そう、おそらく皆さんが知っているこれです。

僕もこのプロモーションで無料化されたブラよろをアプリで読みました。
でも、多分全巻無料じゃなかったら一生読まなかったと思います。

「無料で公開したら、今も店頭に並んでいるコミックス版(もちろん有料)が売れなくなるじゃないか。」と思うかもしれません。
しかし、ブラよろは10年前の作品であり、ここから爆発的にコミックスの売上が上がるということはあまり考えられません。
ならばいっそ無料公開することで、ブラよろや作者に対する興味を喚起して続編や別作品の購買につなげようというのが今回のPRの狙いです。

実際に「無料だから」という非常に消極的?な理由で読み始めた人で、その面白さにハマって続編をコミックスで買ったという方が大多数いたようです。
「10年前の作品が無料にした途端1ヶ月で紙のコミックスに匹敵する勢いを持った」という言葉にフリーの持つ力の可能性が現れていると思います。
これも紙のコミックス(アトム)ではなく、電子書籍(ビット)だからこそ可能になった手段ですね。コミックスにしてしまうとどうしても大量複製にコストがかかりますが、電子版ならコピペで一瞬です。
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ここではブラよろの一例を示すに留めますが、本著ではその他にも色々なフリーを利用したビジネスモデルが掲載されています。
前述の通り21世紀型のフリーはIT技術(ビット経済)との親和性が高いのでITに興味がある方以外には敬遠されがちですが、モバイルコンピューティングの発展からも分かるように、今後はあらゆる物がITと接続・連携する時代になることは間違いありません。
またITとは関わりのない21世紀型のフリーの例も示されていました。
なので、分野に関わらず沢山の人にお勧めできる一冊です。

僕が面白いと思ったのは「不正コピー大国中国における偽ブランド品の横行は、ブランド側からすればマーケティングの一部である」という話や「ブラジルではアーティスト自身が激安(あるいはタダ)で自らのCDを大量にばらまいて歩く」という話です。

気になったら一度読んでみてください!

 

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