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「諦める」の再定義。事を成すには諦めることが必要だという話

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為末大さんの『諦める力』という本を読みました。
本書は日本人にとってはネガティブな印象が強い諦めることに関して、その重要性を説いています。

個人的には今までにない目から鱗な内容だったので、本書で論じる諦めることの重要性について、筆者の言葉を引用しつつ書いていきたいと思います。

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日本人は諦めないことに美徳を感じる

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日本人は全力を尽くして全うするという考え方が強い。
しかも、やめ方は万人に納得してもらえるような美しさがなければならないと思い込んでいる。

確かに日本人は諦めないで頑張り続けて報われたという美談を好みます。
しかし、ことスポーツ選手に限って言ってもそうしたケースは非常に稀で、一つの美談の裏には数百倍の目も当てられない悲惨な人々がいます。

 

「ここまで続けてきたんだから」は思考停止

素直に諦められない理由としては、「ここまで続けたのだから」という心理的な要因もあります。
「ここまできてやめてしまったら自分には何も残らない」と思う気持ちは分かります。
しかし実はそう考える時点でもう自分の視点は未来には向いていないのです。

「もう少しで成功するから 、諦めずにがんばろう 」
「せっかくここまでやったんだから 、諦めずにがんばろう 」
前者は 、この先成功しそうだという 「未来 」を見ている 。後者は 、今までこれだけやってきたという 「過去 」を見ている。

「とりあえず続ける」というのは一見意思のある行為に見えます。
でもそれは惰性を振り切って諦めるという決断ができない状態でもあるのです。

 

勝てる領域を見定める

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人には個性や得手不得手があります。
同じ人間は一人としていないとしたら、長所も一人ひとり違うのが当然です。

にも関わらず、俗に言う「憧れの人」というのは一部のトップスターの寡占市場状態です。
筆者は本書の中で、自分とは違うタイプの人に憧れ、努力する人の危うさを指摘しています。

自分とはまったく接点のない人に憧れて 、自分の短所を埋めているつもりが長所ごと削り取っている人はかなりの数に上ると思う 。僕はこれを 「憧れの罠 」と呼んでいる。

 

手段ではなく、目的にコミットする

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本書ではただ上手くいかない分野から逃げ続ける事を是としているのではありません。

結果が出る見込みが薄くても頑張り続ける人は、実は手段に固執しているに過ぎません。
本当に目的にコミットしているからこそ、目的達成のために手段を変えることを厭わないという選択ができるのです。

多くの人は 、手段を諦めることが諦めだと思っている 。だが 、目的さえ諦めなければ 、手段は変えてもいいのではないだろうか 。

頑張ること自体は尊いことですが、それが目的達成に繋がるかどうかを見極めなければ、努力は徒労に帰すだけです。

 

やめるための条件を作る

「これまでの事を考えるとなかなかやめることができない。」
そんな人は自分の中でやめる条件を作る事も、効果的です。

どうしても実現したいこと 、手に入れたいものがあるのなら 「この時点でこれができていなければ終わりにする 」という基準を 、繰り返し繰り返し設定することが必要になってくる 。

 

諦めると新たな挑戦はイコール

新たなことを始める時、「いつまでにこれをやる」という目標設定をすることが多いです。
しかし本書はやめるという前提で目標を立てているのが新鮮だと感じました。

今の人生の横に無限のパラレルワールドな人生が広がっていると考えると、諦めるということを「新たな人生への挑戦」としてもっとポジティブに捉えても良いのではないのでしょうか。

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