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グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

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ソニーに新卒入社してから22年間働き、その後3年間をグーグルで過ごし最終的には日本法人社長となった辻野さんがこれまでを振り返って書かれた著書。

まずタイトルがとても良いと思います。

グーグル、マッキンゼー、P&G、GSなどの出身者の著書は多くありますが、そのほとんどがネームバリューを使っただけのような中身の無い本だったり、あるいは「グーグルはここがすごい!」みたいな信奉者本だったりします。
そういう本はタイトルも「〇〇出身者が教える…」「〇〇流××術」みたいないかにも虎の威を借りたようなものばかりで個人的には若干食傷気味です。

そんな流れを一蹴するかのように付けられた「グーグルで必要なことはみんなソニーが教えてくれた」というタイトル。辻野さんの尖った性格が伺えます。またソニーという日本の会社を引き合いに出したのも日本人としての矜持を感じます。

 

内容構成も、タイトル通りほとんどがソニー時代の話。

辻野さんはインターネット時代の到来をいち早く感じ取り、ネットTVの前身などの先端商品を次々にリリースしていきました。しかしかつては人々の想像を超える製品を世に送り出していたソニーも、時を経るにつれ大企業然とした体質となり辻野さんはそこで多くの憂き目に遭われたようです。
最後の最後までソニーを再び世界と闘える企業に立て直すことに情熱を注いでおられましたが、最後はソニーに見切りをつけ退社することになってしまいました。

iPodに対抗すべく全力を挙げて開発したウォークマンAシリーズを上司に見せた時に「なぜイヤホンは白じゃないのか?最近はAppleをはじめだいたい白でしょ。」と言われて憤るエピソードなどは筆者の人柄やソニーの体質をよく表していると思います。

実はこのイヤホンの色の話、業界では結構有名な話みたいで以前読んだ『ぼくは、だれの真似もしない』の著者で元Apple日本法人社長の前刀禎明さんも本の中で白いイヤホンについて書いていました。

確かに、昔はイヤホンといえば黒色だったのに、iPodの流行以来イヤホンといえば白色というイメージが定着しましたよね。

その後は紆余曲折を経てグーグルに入社されエピソードや、グーグルの強さの理由とかつてのソニーとの共通点、これからのインターネットのあり方などが書かれていました。
ビジネス本として読むのではなく、辻野さんのこれまでの仕事人生を小説のように楽しむのが良いと思いました。

この本を読んで、組織の中で自分の思いを貫くことがいかに困難であるかということを知りました。
組織というものは本質的に管理、標準化、リスクの最小化に進むシステムであり、組織が大きくなればその傾向は一層強くなります。

そうした中で自分の信念を貫く。周りがどんな環境であろうと正しいと思うことをするという事を全うされていた筆者の姿にはとても勇気づけられました。

実は、この本を読もうと思ったきっかけがあります。
本著の中でも何度か出てくる筆者の息子がいるんですが、その息子と同期として来年から一緒に働く予定なのです。
彼もまた筆者である辻野さんに負けず活力があり、未来に対する前向きな希望を持ち、挑戦心に燃える男です。

彼に対して抱く劣等感や憧れから、その内なる情熱のルーツを知りたいと思い本著を手に取りました。しかし読んでみて、彼の力は想像以上に力強い経験を持った環境に裏打ちされていると分かり、さらに劣等感と焦りを強めています。笑
そうした力が醸成される環境が無い平々凡々な僕が彼と同じ世界を見る為には、少なくとも彼以上の努力をし、彼以上に熱い挑戦心を燃やし続けないといけないことは明白です。

環境など、自分以外の外部要件を言い訳にしたくない。
だから僕は頑張ります。

 

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