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結局頑張るしかないんだから

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話題の「何者」を今更ながら読んだ。

内容としては若者のリアルな心情をこれでもかという程えぐりだした様な作品。
どこか世の中に対して斜に構えている主人公が、一見すると平和な友情の裏に渦巻く黒い感情を淡々と分析していく。

就活は20代にとって最も本音と建前を使い分けるイベントの一つ。
また多くの人にとって、初めて社会と向き合う機会であり、その社会との距離感に多様性が生まれる。そんな就活を舞台にしたのも、またこの作品のどす黒さを引き立ててる。

社会と様々な距離感を持つ若者の多様な、それでいて結局数種のカテゴライズを免れない態度を網羅的に描写した観察眼はすごいと思いました。
多分、就活中の学生のほとんどは登場人物の中のどれかに包含されるんじゃないかってくらい。

ほんと、読んでてこっちが気まずくなるような雰囲気がありありと伝わってきて、そういう意味では、筆者は心情観察や心理描写がとても上手いなと思った。(もう目を背けたくなる感じの気まずさがある。) 特に中盤から後半にかけての勢いがすごい。おそらくここまで繊細な心理状態を丁寧に掬いとれるのは、筆者が登場人物と同年代だからだろうな。
それに、就活を経験した人にしか分からないあの一見すると協力関係にありながらどこかお互い牽制する感じ。

フォロー/フォロワー数を気にしてみたり、友人の内定先を2ちゃんで調べてみたり、名刺を作ってる友人をどこか小馬鹿にしたり、、、人間はどこまでいっても自分の優位性を感じたくて仕方が無い存在なんだと思う。

いわゆる「意識高い系学生」と「意識高い系(笑)学生」も、結局根本的な部分では同じなんだと思う。自分の優位性を実感したくて、周囲に証明したくてうずうずしてる。

大学生ってほんとに微妙な立ち位置だと思うんです。
立場は未だ学生で、社会からしてみればまだまだ子供扱い。その一方で年齢的にはもう立派な大人で、既に働き始めている友人もいる。自分には何か出来るはずという希望もある。

この「自分も何かを成し遂げられる」という希望と、「自分には何の力も無い」という諦観の矛盾の末、大学生達は外部(いわゆる社会)との関わりの中に虚構の自分を作り出すという手段に至っているんだと思います。
まぁこうして観察者ぶってる自分も結局は「何者にもなれない諦観」と「何者かになりたい野心」の矛盾にもがく主人公と一緒なのかもしれませんが。笑
一応「就活」というものを終えた身として、「意識高い系学生」にも「意識高い系(笑)学生」、どっちの意見も自分は共感できる点はあるけど、どっちの意見も本質的ではないんじゃない?って思う。

まず第一に、「意識高い系」か「意識高い系(笑)」かっていう二元論がまず違ってる。
前者が主張しがちな「人脈」とか「ワークショップ参加」とかそういう類のものと、後者が主張しがちな「コミュ力」どっちが大切か、じゃなくてどっちも大切だと思う。

自分も元々はこの論争を二元論として捉えてたけど(どっちかというと「意識高い系(笑)」属性だった)、自分の経験の中で本当に優秀だなって思う人はもうその両方備えちゃってる。
めちゃめちゃ頭よくて人脈広くて、貴重なオパチュニティを逃さず色んなプロジェクトにジョインしつつも、その辺のリア充以上にリアルが充実してる。

そんな奴らを目の前にしちゃうと、もう自分の属性勝手に決めてそっちにパラメータ極振りじゃ絶対敵わなくなる。切り捨てたもう一つの属性のパラメータ不足が明らかなボトルネックになる。
だからシンプルに「どっちも極めればいいやん」って思ってます僕は。(ただ今年の夏の楽しい予定は一切ありません。)

第二に、勝負するのは「いまじゃないでしょ!」って思う。
結局自分と違う属性の人をとやかく言うのは、今の自分の優位性を確認したいからにすぎないんだと思う。
ほんとに自分の行動や考えが正しいなら別に人はともかくとして、自分の信じる道で頑張るしかないと思うから。(まあたまに敵サイドに異様に敵意むき出しの人もいますが)

しかも、こういう議論の悪質な所はその時点では決してどちらが正しいかという結論が出ないと皆が分かった上でなされる点。
意識がどうこうって結局、目的の為の過程でしかないからね。過程の正しさは結果の正しさでしか証明されないわけで。
だから僕はこれまたシンプルに「同窓会でどっちが正しいか決着つければ?」って思います。10年もすればどっちの過程が正しかったかという結果が自明になってるはず。

とにかく皆さん鼻息荒く相手のこと批難して、その実人知れず自分の胸を撫で下ろすことはやめましょう!
結局は自分が信じた道で頑張るしかないんだと思います!

 

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