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【就活】企業分析方法論

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きぎょうけんきゅほうほうろん

DRESS CODE.をお読みいただきありがとうございます!
当ブログを運営するFukulow@yuta_black)です。

今回は企業研究の具体的な方法について書いていきます。

前回の記事で、情報には「事実」と「主観」があり、主観は他人によってあらかじめ意味付けがなされた情報、事実はそれ単体では意味を持たない情報であることを確認しました。
そして大切なことは、主観情報に惑わされず、事実情報を収集し、それに自分なりの解釈・分析を加えていくことだと言いました。

企業研究=情報収集+解釈・分析
この方程式を忘れないでください!

それでは具体的に、情報収集と解釈・分析について順に詳しく見ていこうと思います。
今回はすごーく記事が長くなってしまったので、適宜目次を参照しながら構造的に話を把握して頂ければと思います。
不必要な項目は読み飛ばしてもらってもかまいません。

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情報収集

一口に事実情報を集めると言っても、その方法は膨大です。
ですのでここでは、僕が「実践しやすく比較的効果が高い」と考える事実情報の収集方法をいくつか紹介するにとどめようと思います。

①会社の情報を知る

・会社概要
まずは最もオーソドックスな方法です。
どんな説明会に参加しても、企業が見せるプレゼン資料の冒頭はだいたい「会社概要」という項目から始まります。
ここに書いてある情報(創業年、従業員数、営業利益、売上の部門別内訳…)は紛れもない事実情報になります。

・IR情報
また企業HPにはたいてい「IR(投資家向け)情報」というリンクがあります。
その中の「有価証券報告書」という項目には様々な事実情報(経営指標、沿革、事業内容、関係会社状況、従業員状況)などが記載されています。
この有価証券報告書に事実以外の虚偽を記載すると、金融商品取引法違反となります。
ゆえに有価証券報告書の情報は、極めて正確で有用な事実情報と言えます。

「IRとかって難しそう…」
と思う方も是非「決算説明会資料」には一度目を通して欲しいと思います。
これは主に株主に対して今期の業務成果を発表する為の資料で、素人でも分かりやすい形でスライド形式にまとめられてます。
下の写真はAmebaなどを運営するCyberAgentの決算説明会資料をキャプチャしたものです。
案外ポップで取っ付きやすくないですか?
サラッと流し読みするだけでも案外楽しいですよ!!

写真 2014-01-18 0 11 58
(CyberAgent 2013年9月期 通期 決算説明会資料より抜粋)

・四季報
また会社情報の収集には他にも四季報を見るというのも効率的な手段だと思います。

②人の話の行間を読み解く

次は、人との会話において事実を収集する為のポイントを紹介します。
これは主に説明会やセミナー、またはOB訪問などで人の話を聞く際の心がけです。

「人の話はポジショントークで、主観情報だらけだ」ということは前回述べました。

主観は事実に何らかの解釈が施された情報なので、人の話を聴く時はその主観が形成される前提となる事実情報を読み解くようにすることを僕は心がけていました。

例えば「ウチは海外売上比率が30%あるからグローバルだよ」と企業の人に言われた場合、
「グローバルだよ」という主観部分はとりあえず置いといて、「海外売上が30%を占める」という事実を収集(=メモ)してました。

これだけ聞くと簡単、当たり前と思うかもしれません。
しかし「ウチはグローバルな企業だよ」とだけ伝えられた際に「どういう事実を根拠にグローバルと言っているのだろうか?」
と、自らその根拠事実を考えたり、場合によっては「どういう事実を根拠にグローバルと言っているのですか?」(もちろん失礼のない態度で)
と、突っ込んで質問をすることが必要です。

これはOB訪問の際もまったく同様ですね。

③業界構造・企業制度を探る

多くの就活生が見落としがちなのが、この「業界構造・企業制度を知る」という視点です。
業界構造、企業制度はどちらも事実情報に含まれるものですが、「売上◯億円」などといった他の数的情報よりも情報としての質が高いので特に区別して論じることにします。

・業界構造
業界構造とは、その業界のマネタイズを知るとも言い換えることができます。
もっと簡単に言うと「誰が、どこから、どのように、利益を生み出しているか」を知ることです。

業界構造を知るメリットとしては、その業界内の企業の平均的な戦略が分かるということです。
平均的な戦略が分かれば、「ある企業がその平均からどこがどれだけ突出しているか」が分かるようになります。
そしてその平均から突出する部分こそが企業の工夫、つまり強みになるのではないか?と予想できるのです。(ここは想像力を使うのですがそれは後述)

一例を挙げるとネット通販業界は従来、モール形式といって沢山のお店の通販サイトを自社内に設置し、販売するという戦略をとっていました。つまり自分達は既にあるお店をネット上に一カ所に集めて、客を斡旋するという手法です。
しかしAmazonはそうした戦略とは違い、自社倉庫を建設しまくって直売形式のネット通販を始めました。この手法は当時の競合他者からは「ネット通販のくせに在庫を自ら保有するなんて馬鹿だ」と批判されました。
しかし自社倉庫に商品を管理することで、Amazon特有の「いつ商品が届くか分かる、すぐ届く」という強みを発揮することが可能になったのです。

業界構造を知るのに最も簡単な方法は業界地図を見ることだと思います。
業界地図は各業界のお金の流れなどが簡単にですがまとめられており、個人的によく読み返していました。

・企業制度
また企業制度とは、その企業の中に存在する規則を指します。具体的には「昇進制度、福利厚生制度、意思決定構造、その他特徴的な制度全般」のことです。
企業制度には企業側から提示されるものとされないものがあります。
・提示されるもの…福利厚生制度全般、研修制度、ジョブローテーションなどの配属制度、その他特徴的な制度
・提示されないもの…昇進制度、給与体系、意思決定構造、その他内部手続きに関わる制度

企業制度は、企業研究に欠かせない情報となります。
なぜなら人は会社の中においては規則に沿ってしか行動できないからです。
そしてまた、ある制度が定められているということは、企業が積極的にその制度のベクトルへと人を動かしたいと考えているという証左だからです。

新事業を立ち上げたいと考えているのなら、新事業を立ち上げを支援する制度があるはずです。
一人一人の裁量権が広くしたいと考えているなら、意思決定の構造が簡単に設定されているはずです。

逆にこうした制度が無い状況で、いくら「ウチは一人一人裁量権が広いよ」と言った所で所詮は理想論です。
些細な決定を下すのに係長、課長、部長の許可が必要な意思決定構造だとしたら、どうして一人一人の裁量権が広いと言えるでしょうか?
このように企業制度も会社を知るための有力な事実情報になります。

OB訪問は、上で書いた提示されない制度を聞き出すのに最も適した機会だと思います。
例えば昇進制度を直接聞き出すのはちょっと難しいですが、
「社内でどういった人達がよく活躍していますか?」と質問することである程度類推が可能だったりします。
他にも若い社員さんにお話を聞く機会があれば
「あなたが何か既存の仕組みを変えようと思う場合、どういった手続きが必要ですか?」と質問すれば、若い人が積極的にチャレンジすることをどれだけ認めてくれるかを予想することが出来ます。

解釈・分析の開始

前項のような方法を使って事実情報を集められたら、次はいよいよ解釈・分析に入ります。
解釈・分析において大切なことは
帰納法と想像力です。

①帰納法

帰納法とは個別事象から一般的原則を導く論証法ですね。
個人的に、企業を理解するにはどう考えても帰納法に頼らざるを得ないと個人的には思っています。

企業組織は非常に大きな存在であるがゆえに、その核心的な情報を直接手に入れることは難しいと思います。
経営者ならまだしも、就活生は組織内の人間ですらないので、示される情報は核心部からずっと遠い末端の情報であることが多いです。

だからこそ、これまで集めた事実情報を組み合わせ、末端の情報から少しでも企業の核心部へ迫ろうとする際に必要なのが帰納法的解釈だと考えています。イメージとしては下図のようになります。

きのうほう

②想像力

しかし帰納法的解釈はそれほど簡単ではありません。
なぜならば先ほども言った通り、企業の実態というのはあまりにも大きく、そして多様だからです。
これにより一つの企業をしっかりと解釈・分析しようとすると膨大な情報が必要となります。

本来ならば興味がある企業に対してはあらゆる情報を集めた上で帰納的解釈をするべきなのですが、1人が何社も受けることが前提となっている現在の就活事情を鑑みると、これはあまり現実的ではありません。
そこで僕は想像力が大切になってくると思います。

不十分な情報から自分の頭で考え想像することで、帰納的解釈を補うのが想像力の役割です。

そうぞうりょく

想像なんて外れてしまうかもしれませんし、論理が飛躍するときもあるかもしれません。
しかし情報が足りないからという理由で考えるのをやめてしまうのではなく、
常に頭を使って想像し仮説を立て、それを検証・修正するというサイクルを回していくことこそが本当のあるべき研究だと僕は思います。

人より5倍多く間違って、最終的に人より2倍理解が深まればそれでいい。
こういう考え方、どうでしょうか??

企業研究の具体例集

さて、ここまで「企業研究=情報収集+解釈・分析」であるという前提のもと、
情報収集と解釈・分析の方法について詳しく見てきました。

今あなたの手には、会社概要から得た / 話の行間から読み解いた事実情報や業界構造、企業制度などの情報があります。例えるならそれは沢山の新鮮な食材たちです。

そしてそれらを使って企業分析を行う帰納法・想像力という2つの方法論も手にしました。例えるならそれは調理器具や料理の技術と言っても良いでしょう。

ここからは事実情報を組み合わせ、そして想像力を持って帰納法を行う例をいくつか紹介したいと思います。
言うなれば事実という食材から自分にあった料理を作る為のレシピを少しお見せします。

<例1>

営業利益を従業員数で割る→社員1人あたりの利益率が分かる。
↓ 帰納法・想像
『社員1人あたりの利益率が高い方が、優秀な人材が集まっている会社なのではないか??』

<例2>

業界構造を見る→薄利多売なビジネスモデルなのか、利益率が高いビジネスモデルなのか?
↓ 帰納法・想像
『薄利多売ビジネスモデルはルーティーン業務メイン、利益率が高いビジネスモデルはクリエイティブ業務がメインではないのか??』

<例3>

新卒人材は3年以内に必ず海外配属をする制度がある→グローバル戦略に力を入れている。
↓ 帰納法・想像
『海外で働ける可能性が高いのではないか??』

<例4>

業界構造とその企業の収益構造を見比べる→業界構造と大きく異なっている部分がわかる。
↓ 帰納法・想像
『そうした競合他者との違いにこそ、その企業の独自の強みがあるのではないか?そしてそうした強みにマッチする人材こそがこの会社が真に求める人材ではないか?(Amazonの例)』

<例5>

IR情報から事業別売上比率を年度別で比較する→ここ数年で売上構成が大きく変化している
↓ 帰納法・想像
『時代の変化に合わせて素早く変化が出来る会社なのではないか?また、新しいことに挑戦しようという気概がある会社なのではないか??』

もちろん前項で書いた通り、想像による解釈が含まれているので、これらが全ての場合に当てはまるとは限りません。
しかし最初に検討すべき仮説を立てることで、「その仮説を満たしているかどうか?」という具体的な判断基準が生まれます。
漠然と「この企業の競合に対する強みは何だろう?」と考えるよりも「この企業は他の競合他者とこの部分が大きく異なっているので、ここに強みがあるんじゃないか?」と考える方が、次に取るべき行動が明確になりますよね。実際に社員の方に聞いてみるもよし、その部分にフォーカスを当てて調べてみるもよし。

すみません、1記事ですべてを書こうとした結果、膨大な文章量になってしまいました。
ここに書いたのはあくまで僕の経験上もっとも効率が良いと思う方法です。

大切なのは相手方の用意した情報に惑わされずに、自分のアタマを使って考えることです。
これは企業研究に限らず、就職活動全てにおいて言えることです。
是非自分のアタマで考えるきっかけとして僕の経験則がお役に立てればと思います!

次回は「自己分析」について2回に分けてお伝えしたいと思います。

 

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