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FUJIFILM X-Pro2使用レビュー。形容しがたい魅力に溢れたカメラ。

4ヶ月前、ぼくはFUJIFILMの高級コンパクトX100Fを購入しました。

レトロ感あるお洒落なボディから放たれる魅力的な写真の数々に、ぼくは一気に引き込まれた。その日からX100Fは「最高のサブカメラ」として常にぼくのバッグの中。

そんな生活を続けるうちに、ぼくの頭にはある考えが浮かぶようになりました。「より高画素のレンズを通してXの世界を見たい」と。

X100Fのレンズは開放付近がオールドレンズのような幻想的なソフトフォーカスになるのが特徴。ただX100Fの空気感はそのままにもう少し解像感が欲しい、もう少し画角を変えて撮りたいという気持ちが強くなっていったのです。

気づけばぼくはそれまで愛用していたSONYのカメラ機材を一式を手放し、X-Pro2を手にしていました。それが8月の終わりのこと。

そこから2ヶ月。X-Pro2を色んなシーンで使ってみて感じることを整理してみようと思います。触って、使って初めて分かる、そんな感覚的な魅力に溢れたカメラです。

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FUJIFILM X-Pro2 基本仕様

この記事ではぼくが実際に使ってみた感想をほとんど主観で書いていきます。ただその前にX-Pro2の数字上のスペックにも軽く触れておきます。

有効画素数 2,430万画素
映像素子 APS-C X-Trans CMOS III
ファインダー OVF / EVF(236万ドット)
最高感度 ISO51200
AF 測距点 91点
バッテリー 標準撮影枚数 250枚(EVF使用時)
本体サイズ (幅)140.5x(高さ)82.8x(奥行き)45.9 mm
質量 445g
手ぶれ補正機構 なし

このX-Pro2は記事執筆時点でX-T2と並んでFUJIFILMミラーレスカメラのフラッグシップ的なポジション。

ただ内部の映像素子はX100Fと同様のAPS-C X-Trans CMOS IIIが使われています。操作性など細かな違いはたくさんありますが、ものすごく荒っぽく説明すると「レンズ交換ができるX100F」です。

ここからはX-Pro2の外観・操作性・描写力について、ぼくが使ってみて感じたことを作例を交えながら書いていきたいと思います。

 

X-Pro2の外観

X-Pro2の外観は良い意味で一眼レフらしからぬデザイン。X100Fと同様レンジファインダーカメラを彷彿とさせるレトロ感がありながらも、プロ感を感じさせるスタイリッシュなデザイン。

上から見た図。上部ダイヤル類は全て右側に集約されています。本体の塗装も安っぽさを感じさせない上質な仕上げで、プロダクトとしての完成度の高さを感じます。

職業カメラマンではないぼくにとって、撮影できる写真の質はもちろんのこと、カメラ自体の格好良さも大切なポイント。X-Pro2はそうした所有することの喜びも満たしてくれるカメラです。

出っ張りがないから持ち運びが楽

X-Pro2はファインダーやグリップの出っ張りが少なく、まさに直方体といった形。なのでバッグの中に入れても出っ張りがぶつからずに持ち運びが楽。様々なバッグに忍ばせて持ち出すことができます。

X-T2とX-Pro2、どっちを選ぶ?

実は購入前に同じくフラッグシップ機であるX-T2とどちらにしようか迷いました。実機を触って考えた上で最終的に決め手となったのはX-Pro2の外観デザイン。

カメラ然としたルックスのX-T2も良かったのですが、レトロモダンなX-Pro2の佇まいに惹かれてこちらを選択。それにX100Fと同じレンジファインダー式のX-Pro2を使いたいという思いもありました。

 

X-Pro2の操作性

ここからはX-Pro2の使いやすさ、操作性について気づいた点を紹介。良いなと感じた点の他にちょっと気になった点も合わせて書いていきます。

構えたまま操作が完結する直感的なインターフェース

これはX100Fの時にも触れましたが、FUJIFILMのカメラはマニュアル操作を前提としたインターフェースになっています。

モード選択ダイヤルがなくシャッタースピード、絞り、ISOなどはすべて物理ダイヤルで調整します。(ダイヤルの組み合わせでオート撮影も可能)

慣れるまでは戸惑いますが、一度慣れてしまうとファインダーを覗いて構えたまま露出調整ができ、スピーディーな撮影が要求されるシーンで重宝します。

物理ダイヤルなので初期値を覚えておけば、値を確認しなくても「カリカリッ」というクリックフィードバックだけで現在の設定が把握できるのも分かりやすいです。

フォーカスレバーで瞬時にピント合わせ

背面についたフォーカスレバーを使えば、フォーカスエリアを縦・横・斜めの8方向に瞬時に動かせます。

素早く動く被写体にピントを合わせる際や、逆に三脚固定時など構図を一定に保ったまま焦点位置だけを動かしたい時に役立ちます。

デュアルスロットで撮影テンポを崩さない

X-Pro2はSDカードを同時に2枚挿入できるデュアルカードスロットを搭載。連続記録やRAW / JPEG振り分けなどができるので、撮影中に「SDカードの容量がいっぱいで…」とテンポを崩すことがありません。

さらにスロット1は書き込み速度が早いUHS-Ⅱに対応。ぼくも使っていますが書き込み速度が段違いに高速で、RAWの連写でも書き込み遅延がかなり軽減されました。

UHS-Ⅱ対応のSDカードは高いですが、X-Pro2を使うならオススメです。

心地よいシャッター音

撮影時のフィーリングを左右する重要な要素がシャッター音。これまでメーカーの違う計4つのカメラを使ってきましたが、X-Pro2のシャッター音は本当に心地良い。

「シャコッ」という重すぎず軽すぎない絶妙なシャッター音は、撮影しているとどんどん自分の世界に引き込まれていきます。

ダイヤルのクリック感はX100Fが上

ここからは気になった点を2つほど。

X-Pro2の機関部とも言えるISOダイヤル内臓のシャッタースピードダイヤル。撮影中に幾度となく操作する重要な機構ですが、このダイヤルのクリック感がX100Fに比べてやや軽い印象を受けました。

X100Fは「カチカチッ」と回るのに対してX-Pro2は「クリクリッ」というくらいのイメージ。

特にこのダイヤルは外周部を持ち上げて回すことでISOを調整する役割もあります。本体のクリック感が軽いとISOダイヤルを調整したい時に、誤ってシャッタースピードダイヤルを回してしまうということが何度かあります。

ISOのフロントダイヤル割当てがない

シャッタースピードダイヤルに内臓されたISOダイヤルは操作がやや複雑ということで、X100FではフロントのコマンドダイヤルにISOを割り当てて使っていました。

しかしこれがX-Pro2ではできないようで、ISOは内臓ダイヤルでしか操作できません。前述のクリック感の軽さもありISOの調整操作がやや面倒なのが正直な感想。ここはファームアップデートで対応してほしいですね。

総じてX-Pro2よりもあとに発売されたX100Fの方が、ハード・ソフト両面において操作性が増している印象。ただX-Pro2のシャッター音は極上なのでぜひ一度試してみてほしいです。

 

X-Pro2の描写性能

操作性を細かくレビューしたところで、最後はX-Pro2の描写性能について作例を交えながら紹介。今回は全てXF56mm F1.2 Rを付けて撮影。

X-Pro2を購入するきっかけとなったのは、このレンズが使いたかったから。結果としては期待していた通り、いや期待していた以上に素晴らしい描写でした。

被写体が優しく浮かび上がるポートレート撮影

35mm換算85mmという焦点距離はポートレートに適したレンズ。X-Pro2とXF56mm F1.2 Rの組み合わせは、被写体が背景からふんわりと浮かび上がるような優しい写りです。

F1.2の開放で撮影した1枚。背景はとろけるようなボケですが、ピント面は風に揺れるモデルの髪の一本一本までしっかりと映し出しています。

X100Fは開放付近では全体にボヤけるような甘めのフォーカスでしたが、こちらは開放で使うことに躊躇がなくなる描写力。

FUJIFILM特有の透明感ある色味はX-Pro2にも健在。X100Fで感じた「もっと色んな画角でこの色味が見たい」という要望が叶いました。

写真は全てRAW現像していますが、X-Pro2で撮影した写真は現像がほとんど必要ないんです。むしろこの透明感は現像ではなかなか出せないんですよね。

物の質感まで伝わる描写力

ふんわりと人を情緒的に写すのはもちろん、絞り込めば手触りまで感じるられるような印象的な写真も。

普段からブログで「素材感」を伝えることが多いのですが、X-Pro2とXF56mm F1.2 Rならキメ細かい革の質感もグッとリアルに描写してくれます。

最短距離が70cmと寄れないのがたまにキズですが、その不便さを補って余りある写りをしてくれます。

ブライダルフォトに行った際に会場で撮影した1枚。金属の冷たさまで伝わってきます。

名古屋モード学園。陽を受けて反射する窓のひとつひとつが緻密に描かれています。空の青もきれい。

空気感を写し出す色味

個人的にFUJIFILMのカメラは、昼下がりの光を捉えるのが上手いような気がします。ダラっとした暖かさが充満した空気感と言うのでしょうか。

X-Pro2を購入して初日に撮影した実家のトイプードル(モモちゃん)。等倍で見ると縮れ毛の1本までしっかりと解像しています。

その日その時間によって日の光は冷たくなったり暖かくなったりするということを、X-Pro2で撮影するようになってからはこれまで以上に実感するようになりました。

開放F値F1.2で暗所でも活躍

高感度性能も悪くないX-Pro2。特に明るいXF56mm F1.2 Rとの組み合わせなら暗所でも活躍してくれます。

豊洲のワイルドマジックで撮影した写真。明るい電飾と暗い夜空、それをつなぐ光のグラデーションもきれいに写しとってくれています。

ISO3200で撮影した写真。PCディスプレイだと多少ノイズが見られますが、スマホで見ている分には気にならない程度。ISO6400まで上げると流石にザラつきが出始めます。

ガラスや水の質感表現もいい感じです。

ちょっと加工を強めに入れた写真。レンジファインダー式のX-Pro2は本来こういうストリートスナップ的な使い方にも最適です。

 

X-Pro2。その「何か」に魅せられて

今回X-Pro2を購入するに当たって、3年ほど愛用してきたSONYのα7およびレンズ一式を売却しました。α7はぼくが写真を好きになったきっかけとなったカメラであり、知識がまるでない状態から少しずつ腕を磨いてきた愛用機でした。

それを手放して選んだのがX-Pro2。映像素子がフルサイズのα7に対してX-Pro2はAPS-Cサイズ。数字上のスペックでいうとα7の方が優れた点はたくさんあります。

それでもぼくがFUJIFILMのX-Pro2を選んだのは、数字では現せない不思議な魅力をこのカメラに感じたから。ここまで書いておきながら結局X-Pro2を選んだ最後の理由は、このカメラを見て、触れて、使った時にこれまでにない感覚を感じたからなのかもしれません。

その「何か」に魅せられて、ぼくは3年間使い倒した愛用機を手放しました。X-Pro2なら愛用を超えて溺愛できる、そう感じたから。

 

 

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