SONYから2019年7月に発売されたワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」
完全独立タイプのイヤホンにSONYが得意とするノイズキャンセリング性能を搭載した、高機能なイヤホンです。
発表時から期待が高かったこともあり、発売後は全国的に在庫がない状況が続くほど。ぼくも7月末に予約注文で購入し、1ヶ月ほど使い込んでみました。
この記事では日常生活から海外まで、様々な場所でこのWF-1000XM3を使って感じたレビューをお届けします。
結論を先に述べると購入して大正解なイヤホンでした。
- 接続の安定性がグンと増した
- 強力なノイズキャンセリング性能
- 音質も高いバランスでまとまっている
ずっと待望だったノイズキャンセリング機能が付いたワイヤレスイヤホン。ここからはじっくりと使用感をお伝えします。
前モデル「WF-1000X」との比較
まずWF-1000XM3のことを話すためには、前モデルであるWF-1000Xについて触れる必要があります。
WF-1000Xは2017年10月にSONYから発売されたワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン。今回紹介する最新モデルと同コンセプトで発売され、当時も注目度の高い製品でした。
ただ実際に発売されると「Bluetooth接続の不安定」「音声遅延」といった不満がユーザーから挙がります。
ぼくは発売されて随分経ってから知り合いから厚意でWF-1000Xを譲ってもらい使用していましたが、確かに実用とは程遠いイヤホンでした。
駅前ではすぐに左右のBluetooth接続が途切れたり、ゲームができないくらいの遅延があったり。かなり使い勝手に難があった印象です。
しかし今回発売された後継機であるWF-1000XM3は、旧モデルの問題点を全て払拭。大幅に進化を遂げ十分実用的になりました。
細かい項目についてはこれから紹介してきますが、まず旧モデルのイメージで敬遠してる人は「前モデルの不安はほぼなし」と思っても大丈夫です。
Bluetooth接続の安定性が向上
まずWF-1000XM3ではBluetooth接続の安定性がグンと増しました。前モデルで起きていたようなスマホとの接続不良や、左右の接続が切れることもなし。
前モデルではまず左耳イヤホンでスマホと連携しそこから右耳へ信号を送る「リレー方式」だったのを、内部のチップセットを見直すことで左右で独立してスマホと接続する「同時接続方式」に変更したそう。
内部構造を抜本的に見直して作っているので、接続安定性は良い意味で前モデルとは別物といってもよさそう。
強力なノイズキャンセリング性能
ノイズキャンセリング性能についても、その進化は使っていて十分実感できました。

人混みの渋谷スクランブルで使用

先日の中国出張にも持って行きました
人でごった返す通勤電車や街中、飛行機の中でもWF-1000XM3を使ってみましたがキャンセリング効果を実感。
騒音で溢れる空間でノイズキャンセリングをオンにすると、ピタッと周囲が静寂に包まれる感覚はさすがはSONY。周りからフッと音がなくなり、なんだか世界がスローモーションになったような錯覚さえ覚えます。
WF-1000XM3ではノイズキャンセリング機能を駆動させるチップを、WHシリーズ(SONYのノイキャンヘッドフォンシリーズ)と共通の技術を採用。
ノイズキャンセリング機能に定評のあるWHシリーズの性能が、そのままこのイヤホンにも使われています。
このノイズキャンセリング機能はぜひ一度試してみてほしいです。
高いバランスでまとまった音質。低音がやや弱いかも
音質に関してもWF-1000XM3は総合的にバランスの良いまとまりのあるサウンド。解像感のある繊細な音で、イヤホンとは思えないくらいの音の広がりが感じられます。
1つ気になる点を挙げると、低音が少しだけ物足りないかなという印象。高音〜中音域はかなり良いのですが、低音域はもう少し迫力が欲しかったかも。
楽曲で言うとロックやクラシックより、ポップやアコースティック系の方がマッチしている印象です。
もちろん低音域含めイヤホンにしてはかなり健闘しているとは思いますが、「定価3万円弱のイヤホン」と過度な期待をするとちょっとがっかりするかも。
というのもこの製品は決して音質だけで勝負するものではなく、ノイズキャンセリング機能やワイヤレスというスタイルなど、総合的なパッケージとして強みがある製品なのだと思います。
タッチセンサー搭載で快適な操作性
WF-1000XM3は左右のイヤホン本体にセンサーが付いていて、タッチジェスチャで各種操作を行えます。
- 1タップ:曲の再生/ 停止
- 2タップ:曲送り
- 3タップ:曲戻し
- 長タップ:Siri起動(iOSの場合)
右耳はミュージック関連の操作を行えます。
- 1タップ:ノイズキャンセリングON / OFF切り替え
- 長タップ:クイックアテンションモード
左耳は主にノイズキャンセリング機能の操作ができます。
クイックアテンションモードは反応がやや遅い
クイックアテンションモードとは左耳のセンサーを押している間だけ、マイクで周囲の音を取り込む機能。
ノイズキャンセリング中に急に誰かに話しかけられた時などに便利な機能なのですが、いかんせんちょっと反応が遅いのが気になりました。
長タップを押してからマイクが作動し周囲の音が聞こえるようになるまで約1秒ほど。とっさに話しかけられた際などは、最初の1秒を聞き漏らすと結局何を言われたのかわからず聞き返さないといけないこともしばしば。
便利な機能だけに、ここの反応はもう少し早くなればなというのが心残りです。
本体のみでも6時間使えるロングバッテリー
WF-1000XM3のバッテリー持ちはフル充電から本体のみで連続6時間。充電ケースは3回フル充電できるので、合わせて24時間のバッテリーがあります。
本体のみで6時間というロングバッテリーのおかげで、日本から中国へ行く飛行機の中でもバッテリー切れなく使い続けることができました。
本体バッテリーがなくなっても、10分間の充電で90分の再生ができる急速充電が可能。使いたい瞬間にしっかりと充電スタンバイしてくれます。
自立しなくなったケース
不満とまでは言いませんが1つ気になったのが、充電ケースの底面が曲線になって自立しなくなったこと。
前モデルは自立するデザインだったことや、上面はフラットなのに、自立性を捨ててまで底面に丸みを持たせる必要があったかはちょっとだけ疑問が残りました。

やっぱりこの状態だと不細工だよね
死角のない満足度の高いノイキャンイヤホン
購入以来ほぼ毎日のように持ち運んで様々なシーンでWF-1000XM3を使ってきましたが、あっという間に手放せないイヤホンになりました。
前モデルのマイナスイメージが強いこともあってか、今回のモデルは不満点がほぼなし。接続性・ノイキャン・音質・操作性と、どれをとっても実用性をしっかりと満たしてくれます。
そうした基本を押さえつつ、得意のノイズキャンセリング性能やロングバッテリーといった強みを兼ね備えたスキのない製品。
記事執筆時点で実売価格25,000円程度と決して安い製品ではないですが、この強力なノイキャン性能をイヤホンでいつでも使えるのは大きな魅力。
- 音楽をしっかりと楽しみたい人
- 出先で集中して作業したい人
- 出張などで移動が多い人
こういった人ならきっとこのイヤホンが生活にマッチすると思います。ぼくが惚れ込んだノイズキャンセリング性能、ぜひ試してみてください。
まとめ:WF-1000XM3 良い点 / 悪い点
良い点
- 前モデルから大幅進化
- Bluetooth接続の安定性が向上
- 強力なノイズキャンセリング性能
- 高いバランスでまとまった音質
- タッチセンサー搭載で快適な操作性
- 本体のみでも6時間使えるロングバッテリー
悪い点
- 低音がやや迫力に欠ける
- クイックアテンションモードの反応がやや遅い
- 自立しなくなったケース
- イヤホンとしては高価
動画でもWF-1000XM3をレビューしました
WF-1000XM3について、動画でも使用感をレビューしています。
タッチジェスチャなどを動画で紹介しているので、よければ合わせて見ていただけると嬉しいです。チャンネル登録もお待ちしています!