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#私がフィルムカメラを使う理由 | Vol.2 名和 実咲さん

スマートフォンに付いているカメラを含めれば、今や誰もが一台は持っているカメラ。写真を撮るという行為は昔よりもずっと身近になりました。

そんなデジタルカメラが主流なこの時代にあって、今でもフィルムで写真を撮ることを楽しむ人がいます。

家電量販店では売っていないし、フィルム1本ごとに現像が必要。1枚撮るのにもお金が掛かる。そんな一見不便なフィルムカメラを好んで使う人は、自分なりのこだわりや理由があるはず。

#私がフィルムカメラを使う理由」は、今の時代にあえてフィルムカメラを使って写真を撮る人に、フィルムカメラの魅力を語ってもらう連載企画。「フィルムカメラに少し興味がある」という人が、一歩踏み出すきっかけとなる連載にできれば。

第2回は製菓企業で食やデザインにまつわる執筆、編集をしながら、noteInstagramなどで創作活動を行う名和 実咲(なわ みさき)さんにお話を伺ってきました。

※このインタビュー記事の写真は全てフィルムカメラで撮影しています。

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使っているカメラを教えてください

今メインで使っているのはCONTAX T2というコンパクトフィルムカメラです。

他にNikon F60やLomography Simple Useももっていますが、複数のカメラを併用できるタイプではないので、今はほとんど全てCONTAX T2で撮影しています。

 

今使っているカメラの気に入っている点はどこですか?

まずはコートのポケットにすっぽりと入るくらい、サイズが小さいことが気に入っています。ふらっと歩いていて気になった瞬間にパッと写したいので、常に持ち運べるこのサイズ感がちょうど良いんです。

あとはやっぱり描写ですね。このツァイスレンズの写りが本当に好き。黒が締まって見えるというか、存在感があるというか。

撮影:名和実咲さん

上の写真は映写機を撮影したんですが、このしっかりとした黒の質感がとっても良くてびっくりしました。

デジタルはそれまでNikonを使っていたんですが、CONTAX T2をきっかけにツァイスレンズに惚れ込んでしまい、SONYに買い替えたほどです。笑

 

あなたがフィルムカメラを使い始めたきっかけは?

大学時代にお父さんからCanonAE1プログラムのフィルムカメラをもらったのがきっかけですね。そこから旅行に行く時に持っていくようになりました。

当時は旅行に行くのにもデジタルとフィルムを両方持ち出して、荷物がとても重かった記憶があります。笑 何をどのカメラで撮りたいかが定まっていなかったんですよね。

 

デジタルとフィルムカメラをどのように使い分けていますか?

うーん、難しいですね。まず、デジタルカメラを使うのは明確に仕事での撮影の時です。

フィルムで撮る時っていうのは仕事とか実用とかとは切り離して、とりとめもない瞬間やたわいない物を撮ることが多いかも。

よく人から言われるんですけど、私、すぐに感動しちゃう性格なんです(笑) 些細なことに心を動かされるというか、心のISO感度が高めなのかも?笑

撮影:名和実咲さん

撮影:名和実咲さん

例えばこういう写真がそう。窓際の椅子に良い光が差した瞬間とか、トラックに運ばれていくコーンに綺麗に西陽が当たったり。

こういう撮らなかったら忘れてしまうような瞬間を撮ることで、とりとめのないものに心を動かされた記憶を残す。少し大げさですけど、そうすることで生きている心地がするんです。

デジタルだとつい何枚も同じような写真を撮っちゃうじゃないですか。例えば5枚撮ったら、どの瞬間に自分が感動したのか分からなくなっちゃう。

撮影した後の写真にこだわりたいのか、撮影した瞬間の自分の感情にこだわりたいのか。そういうところが使い分けの基準かもしれないですね。

 

あなたがフィルムカメラを使う理由はなんですか?

一言で表現すると愛らしさ、ですね。これは半分冗談で半分本気なんですけど(笑)

描写に関して、デジタルカメラはデジタルらしい雰囲気だけでなく、調整によってフィルム風の雰囲気も作り出せると思うんです。

撮影:名和実咲さん

でもフィルムはデジタルの写りを再現することができないじゃないですか。そういう不器用なところが愛おしいなって思うんです。

あとは純粋に道具として使っていて楽しかったり、ロマンを感じるところがフィルムカメラを使う理由です。

時代を超えて残ってきた物って、きちんとそれなりの理由があるはず。その良さは実際に長く愛用して初めて分かることだと思うんです。だからこそ、そうした物を使い続けていたいなって思っています。

そして、昔からいろんな人に使われてきた物は、いろんな人の手に渡ってひとりの人生よりもたくさんの経験をしているはず。

このCONTAX T2は私が持っている物のなかでいちばん時間の重なりの幹が太いんです。これまでどんな人に使われてどんな景色を写してきたんだろう、そんな風に想像するとワクワクします。

 

好きなフィルムを教えてください

普段からほとんどFUJICOLOR 業務用100フィルムしか使いません。暗いシーンなどではSUPERIA X-TRA 400なども使いますが、自分が好きだなと思う写真もほとんどが業務用100フィルムです。

日常の瞬間をフィルムカメラに収めることが多いので、そういうときでも肩の力を抜いて自然な描写をする業務用100が好きなのかも。

現像所は自由が丘のポパイカメラを利用しています。現像が上手なのはもちろん、「秋の幸せな休日っぽく」みたいな詩的な仕上がりをお願いしても、意図を汲み取って現像してくれるのがありがたいです。

 

好きな写真家を教えてください

『うたたね』の写真集などで有名な川内倫子さんや、「パリ市庁舎前のキス」などで有名なフランスの写真家ロベール・ドアノーなどが好きです。

生々しいモチーフを優しく切り取って表現したような写真が好きで、川内倫子さんは写真展にもよく行きます。

ロベール・ドアノーは、フランスの市井など日常的な暮らしを自然体な視点から撮影した写真が好きです。

 

これからフィルムを始める人にオススメのカメラはありますか?

これから始めるという方には、LomographyのSimple Use Film Cameraを勧めたいです。ポイントは使い捨ての写ルンですと違って、フィルムの入れ替えが可能なところ。

コスパが良いこともあって、迷いなくシャッターを切れるのがおすすめポイントです。

 

フィルムカメラで撮影したお気に入りの写真を見せてください。

どちらも業務用100ですが、赤い色の描写に毎回ハッとさせられます。

花のセロハンへの反射光、濃霧の中を走るバスや木立…。肉眼で見ているよりずっと印象的な像を見せてくれます。ささいな瞬間だけど、予定調和の向こう側に連れて行ってくれる。

どんなものを見せてくれるんだろう、期待を込めてファインダーを覗いている時はワクワクしますね!

 

編集後記:日常にある感動を見つけること

取材中にこれまで実咲さんが撮影したフィルム写真をたくさん見せてもらったのですが、ぼくとは被写体が全然違うことが新鮮でした。

すぐ感動してしまう性格と本人が言うように、実咲さんの撮る写真は何気ない日常の瞬間が多く、それはぼくならシャッターを切らない(切れない)ような写真ばかり。

ただそういう瞬間ほど、写真で見返すとグッとくるもの。感動の閾値を低くしておくことは、写真を撮る上で大切なのだと改めて感じました。

お話を伺った人:名和 実咲さん
Twitter:@miiko_nnn
Instagram:@miiko_nnn
note:https://note.mu/miiko_oyatsu

Vol.1は下記のリンクから。

 

あなたがフィルムカメラを使う理由も教えてください

この記事を読んで面白いなと思っていただけたら、ぜひあなたがフィルムカメラを使う理由も教えてください。

Twitterで「#私がフィルムカメラを使う理由」というハッシュタグをつけて投稿していただければ嬉しいです。お話を聞いてみたいと思う方には、インタビューのお願いをさせていただくかも。

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