仕事にもプライベートにも毎日活用している12.9インチiPad Pro。iPad Proがどれだけ素晴らしい端末なのかに関してはこれまでも様々な切り口から記事でご紹介してきました。
ただ日々iPad Proを使っていると不満点や改善してほしい点が出てくるのも事実。人一倍使い込んでいるからこそ、人よりも細かい部分が目についてしまいます。
そこで今回は毎日12.9インチiPad Proをハードに使い倒すぼくが、現状のiPad Proに感じる不満点をまとめてみました。iPad本体に対する不満からアプリに関する不満まで、使っていて「これは改善してほしい」と感じる点をご紹介します。
12.9インチiPad Proのベゼルを細くして欲しい
まずは12.9インチiPad Proに限った話ですが、ベゼルをもう少し細くして欲しいです。特別ベゼルが太くて使い勝手が悪いというようなことはないんですが、10.5インチの狭縁ベゼルに見慣れた後だとどうしても太く見えてしまいます。
12.9インチiPad Proは本体サイズもかなり大型なので、なおさら余計なベゼルを削ぎ落として少しでも小型化すればなぁと感じます。
今年はiPad Proもモデルが刷新されるという噂もあるので、Face IDを搭載してよりベゼルが細くなってくれることに期待。
RAM(メモリ)を増やして欲しい
AppleはiPad Proのパフォーマンスについて「ほとんどのノートパソコンよりもパワフル」と表現しています。
実際に使っていてそう感じることも多いのですが、不満な点を挙げるとするならばRAM(メモリ)容量。現在最新のiPad Proは10.5インチ / 12.9インチともに4GBのRAMを積んでいますが、これはPCと比べるとやや少なめ。
iOSはメモリ管理が効率的だと言われていますが、それでも重めのアプリを複数バックグラウンドに常駐させていると動作が遅くなったりクラッシュすることもあります。
iPad ProをほぼPC同等に使っている身としてRAM容量が増えてさらなる安定性向上に期待したいです。
キーボードショートカットを増やして欲しい
「キーボードショートカットで、iPadの生産性は大きく変わる」という記事でも書きましたが、マウスの無いiPadではキーボードショートカットを駆使した作業効率化が重要です。
各種アプリ内では様々なショートカットが独自に設定されていますが、アプリ内以外でのシステム操作に関してもキーボードショートカットを増やして欲しいです。
例えば現在iOS側で設定された、アプリを問わずに使えるショートカットは下記の4つのみ。
- ホーム画面へ移動
- Spotlight検索
- Appの切り替え
- Dockを表示
これに加えてさらにキーボードショートカットで「コントロールセンターの表示」や「通知センターの表示」ができればさらに操作の効率アップになると感じています。
最終的には画面にほぼタップすることなく、キーボードショートカットのみであらゆる操作ができればよりPCに迫る生産性を発揮できるはず。
Slide Overの位置を変えたい
Slide Overはちょっと確認したい情報を、後ろのアプリをアクティブな状態のままで画面上に表示出来る機能。Split Viewと組み合わせると同時に3つのアプリを画面内に立ち上げることが可能です。
ただこのSlide Over、iPad画面の左端か右端にしか固定しておけない仕様。なのでSlide Overを使うと下にあるアプリの操作エリアを覆い隠してしまうことが多いのです。
特にSplit Viewを3:1で展開している際は、右にSlide Overを配置すると下のアプリが全て隠れてしまい、左に配置するとメニューが隠れてしまうといったことがよくあります。
画面の端というのは意外と重要なUIが置かれていることが多いので、上の画像のように好きな場所にピタッと固定できればいいのになと感じます。
SDカードからの画像インポートが煩雑
iPad Proでゼロからブログを書き上げることも多いぼくは、カメラで撮影した写真をSDカードリーダーを使って直接iPad Proにインポートしています。
写真をたくさん使うぼくのブログではインポート作業が頻繁に発生するんですが、この画像インポート周りの操作が洗練されておらずやや煩雑なのが不満です。
読み込みが遅い
まずは読み込み速度が遅いという点。10.5インチiPad Pro以降はUSB3.0レベルまで高速化されたとはいえ、それでもPCに比べるとまだまだ遅いというのが正直なところ。
以前に150枚ほどのRAW画像が入ったSDカード(90MB/s)の内容を読み込む速度を測定したところ、約1分ほどの時間が掛かりました。
わずかな時間に見えますがバックグラウンドでは写真の読み込みができず、約1分間は写真アプリを立ち上げ続けておく必要があり作業のテンポが悪くなりがちです。
写真を古い順に読み込んでいく
たいていの場合、SDカードからすぐにiPad Proに取り込みたいのは撮影したばかりの新しい写真データ。でも今のiOSではSDカードに記録されている画像は古い順から読み込んでいく仕様になっています。
直近で撮影したデータを取り込むにも、古い写真から順次読み込むのを待つ必要があるのがストレス。地味ですがSDカードリーダーを使っている人ならきっと毎度モヤっとしているはず。
スワイプで一括選択できない
iOSの写真アプリでは選択モードにすると、写真をスワイプでなぞるだけで一括選択できる便利な操作があります。
しかしSDカードリーダーから複数の写真を選択して取り込みたい場合、このスワイプによる一括選択が使えません。
一括選択が使えないので、100枚の写真を取り込みたいと思ったら写真を100回タップしなければならずなかなか骨の折れる作業。SDカードリーダーまわりの操作性はまだまだ改良の余地があると感じます。
写真アプリが使いにくい
これは再三言っているのですが、iOSの写真アプリは機能が簡易的で使い勝手が良くないです。
- 写真のExif情報が確認できない
- フォルダの概念がない
- タイトルの確認 / 変更ができない
- お気に入りの一括選択 / 解除がない
上記のようにPCのような使い方をするには機能が限定的。とはいえiOSでは画像ファイルは基本的に写真アプリに保存されるので、まったく使わないこともできないのが悩ましいです。
日常的に使うiPhoneならこうした仕様も納得できますが、iPad Proが「コンピュータに求めるすべてを持った」端末だと表現するのであれば、ファイル管理をもう少し自由な設計にして欲しいです。
こうしたこともあり、ぼくは取り込んだ写真をすぐに「Pixave」というアプリに取り込んで写真アプリは極力使わないようにしています。
ファイルアプリでスワイプ送りができない
iOS 11から実装されたApple純正のファイルアプリ。複数のストレージアプリのファイルを横断的に扱え、iPadのファイル管理をよりPCライクにしてくれる待望のアプリでした。
実際に便利なアプリなのですが、問題点が1つ。写真アプリのようにファイルをプレビューした状態でスワイプ送りができないのです。
大量のファイルを漁っている時はスワイプ送りが重宝するのですが、この操作ができないので結局はほとんど使わないアプリになってしまいました。代わりとして評価の高いファイルアプリ「Documents」を使っています。
Documents by Readdle — PDFリーダー、メディアファイル、ブラウザ
Google製アプリが使い勝手に難あり
ここからはiPadそのものへの不満ではないですかまた、各種iPadアプリに関して。
Google製のアプリは仕事でもよく使うのですが、どうもiPad用のアプリは使い勝手が今ひとつなものが多い印象。やはりAndroidの方が優先度が高くなってしまうのでしょうか。
例えばクラウドストレージアプリであるGoogleドライブは未だにアプリ間のドラッグ&ドロップには非対応。大量のファイルをやり取りする際に操作が手間です。
ちなみにドラッグ&ドロップでダウンロードはできませんが、他のアプリからGoogleドライブへファイルをアップロードするのは小技を使えばドラッグ&ドロップで可能。
その方法はファイル管理アプリDocumentsとGoogleドライブを連携させること。そうすればDocumentsを経由してドラッグ&ドロップでファイルをGoogleドライブにアップロードできます。
また非常に細かい点ですが、作成したドキュメントやスプレッドシートのファイルの共有設定において、iPadアプリからだとなぜか「リンクを知っている全員に一般公開」の設定ができないのも困っています。
ログイン不要で知っている人だけ閲覧可能なので、原稿のチェックに便利なのに…。
LINEアプリが毎回ログアウトする
LINEはiPadでも必須のアプリのひとつ。ただこのアプリが1時間ほどバックグラウンドに置いておくだけで、勝手に毎回ログアウトしてしまうのが不便。
想像してみてください、LINEでメッセージが届く度に毎回ログインIDとパスワードを要求される煩雑さを。周りでも同様の意見を結構聞くので、アプリ側の問題なら早く改善してほしいです。
不満点は伸び代でもある
iPad Proに関する不満を思いつくまま正直に述べました。この記事で挙げた不満点を改めて列挙すると以下の通り。
- 12.9インチiPad Proのベゼルを細くして欲しい
- RAM(メモリ)を増やして欲しい
- キーボードショートカットを増やして欲しい
- Slide Overの位置を変えたい
- SDカードからの画像インポートが煩雑
- 写真アプリが使いにくい
- ファイルアプリでスワイプ送りができない
- Google製アプリが使い勝手に難あり
- LINEアプリが毎回ログアウトする
一応自分の中で色々試した上で対応していなかった不満点を挙げましたが、もしぼくの勘違いで「それ実はできるよ!」というものがあればぜひ教えてください。
iOS 11以降急速に利便性を増すiPad Proですが、ここで書いた通りまだまだ使い勝手には課題あり。特にファイル管理においては工夫して使う必要があります。
「iPad ProさえあればPCは要らない」と言ってしまうにはまだまだ心許ないですが、裏を返せばここで述べた不満点を除けばiPad ProをPCのように使うことはできるということ。
毎朝iPad Proをバッグに放り込んで仕事へ向かうとき「これ1台で本当に色々できちゃうなぁ」としみじみ驚くことも少なくありません。
不満点とは言い換えると伸び代。iPad Proだけで仕事が完結する時代が少しでも早くやってくるよう、現状の改善点に関しても引き続き声を上げていきたいと思います。
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